事例紹介

令和3年度 御馬出町車輪1輪修繕工事

<工事名>令和3年度 御馬出町車輪1輪修繕工事

<工事期間>令和3年4月1日~令和4年3月31日

<仕様>
車輪は二重台八の四輪車で直径1663mm、厚さは外廻りで123mm、材質は欅材である。車輪の外周に、幅50mm×厚さ18mmの二枚の鉄輪が鋲止めで嵌めこまれている。車輪中心部の直径440mm×厚さ400mmの車軸取付部より、32本の輻(や)(矢骨)が放射状に配置されている。裏側には525mm×27~95mmの鉄板が16枚で固定補強されている。表面は漆塗りが施され、透かし彫りの化粧金具で飾られている。

<修理概要>
木部…内扇材は屋骨材との付け根には損傷が多数見られる。外扇材の外周面には損傷が見られる。
鉄鋼…鉄補強金具はカブラ鉄輪の根本部分と結合されており鋲で打ち留められているが、カブラ鉄輪の根本部分の溶接は大半が断裂してしまっている。外扇材は木部・漆塗り面の車輪外周面に損傷が見られる。
錺金具…損傷は見られない、釘の状況は屋骨やカブラには緩みや抜けてなくなっている箇所がある。金具表面にはホコリや汚れが油分と結合した状態で、表面・溝、側面などに付着し、カブラ、屋骨部分の汚れが最も強く感じられる。
塗り…漆塗り面は外扇材の外周部分に面がない状況までの損傷がある。そのほかに内扇材の側面の矢骨材との付け根部分にひび割れ、欠損箇所が多く見られる。カブラ材と屋骨材の付け根部分も同様で塗り面の損傷が激しい。

・裏補強板、カブラ鉄輪の取外し
・錺金具の洗浄
・漆塗り面の洗浄
・鉄工作業:カブラ鉄輪の補強板切断、カブラ鉄輪と鉄材の溶接、カブラ鉄輪と補強板の溶接
・鋲の修理作業(制作/技藝院)
・裏補強金具の取付け
・塗り修理の仕上げ
・錺金具の仕上げ

記録写真

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