高岡御車山は、加賀藩藩祖前田利家公が豊臣秀吉より賜ったものを、前田利長公が高岡の町民に与え、改装させたものと伝えられています。毎年5月1日に、7基の御車山が高岡のまちを巡行します。二番町の御車山は豊臣家の紋である桐の文様があしらわれ、他が4輪であるのに対し、この御車山だけが2輪であることなどから、伝承の御所車の様式を最も伝えているとされています。 車輪は、黒呂色の全面にデフォルメされた桐や龍、剣梅鉢、菊、桐唐草文の金具が配され、花弁、葉脈、鱗など細部にわたって精緻な彫金が施され、御車山金具の頂点といわれています。 一番外側の桐文金具は、鋳銅製で、鋳肌を削って仕上げ、その上に毛彫り鏨で文様を彫った華麗なものとなっています。 老朽化に伴い全体に緩みが出てきて、車軸の取り付け部なども摩耗が進んでおり、約150年ぶりに車輪の修復作業が行われました。 |
平成19年に高岡の祭・屋台等製作修理技術者らが漆工作業を行いました。
木工段階 | 木工固め | 布着せ | 蒔き地 |
下付け漆を塗布 | 錆研ぎ(中塗り研ぎ) | 中塗り | 完成 |
行程
金具漆焼き付け → 固め → こくそ →目摺り → 布着せ → 布目摺り → 蒔き地 → 下塗り → 中塗り → 上塗り → 摺り漆
平成20年には、梅鉢のほか、龍や菊などの金具の修復を行いました。
この錺金具は、既存の金具の汚れを落とし再び取り付ける作業ですが、
破損している金具については、新調して古材と色味を合わせて取り付けました。
汚れ落とし | 既存の既存の錺金具 | 新調した錺金具 | 金具の仮止め |
行程
金具取り外し → 汚れ落とし → 金具整形修理 → 一部新調復元 → 彫金加工 → 手研磨 → 銅釘手造り → 真鍮釘手造り → 古代色調整 → 金具取り付け
取り付け | 完成 |