<工事名>平成29年度 高岡御車山守山町前輪2輪修繕工事
<工事期間>平成29年5月1日~平成30年3月30日
<仕様>
車輪は三重台八の四輪車で直径1620mm、厚さ外まわりで120mm、材質は欅材である。車輪の外周に幅38mm×厚さ15mmの二枚の鉄輪が鋲止めで嵌め込まれている。
車輪の中心部の直径440mm×厚さ388mmの車軸取付部より、32本の矢骨が放射状に配置されている。裏側には570mm×25mm~93mmの鉄板が16枚、455mm×35mmの鉄板が16枚を交互に配置して固定補強されている。表面は黒呂色仕上げが施され、打ち出しの透かし模様の化粧金具で飾られている。
<修理概要>
【修理前】
車輪は長年の使用に加え、カブラ部分の鉄輪によって矢骨に大きな負担がかかり、車軸から傾いている車輪もある等損傷が著しい。昨年度から3か年の計画で修理に着手し、漆の中塗りまで完成した。奉曳後に矢骨の漆部分に線が見られたが、木を継ぎ足す修理方針では想定内のものである。
- 漆工 -
【中塗り】 中塗りを行う。乾燥後、炭を使用し水研ぎを行う。
【上塗り】 上塗りを行う。乾燥後、炭を使用し上研ぎを行う。
【摺り】 上研ぎ面に生正味漆を摺り込ませ、乾燥後、胴摺りをする。(2回)
【摺り落し】 呂色上げを行う。
- 金工 -
【裏側補強金具の取付け】 鋲で金具を取り付ける。
【錺金具の取付け】 金具に養生し、釘を打込み金具を取り付ける。